更年期の「頭がぼんやりする」は何?ブレインフォグと身体の変化
IN SHORT
- 更年期の「頭がぼんやりする」は、ブレインフォグとも呼ばれます。45〜55歳の働く女性の約半数が、集中力や記憶力の低下を経験しているという報告があります。
- 原因は一つではありません。女性ホルモンのゆらぎに、眠りの浅さ、ほてり、気分の波、忙しさが重なると考えられています。
- アメリカの大規模な研究では、閉経をはさむ時期に学習の伸びが小さくなり、閉経後には元に戻ったと報告されています。一時的な変化である可能性があります。
- つらさが続く、生活に支障がある場合は、婦人科へ。似た症状が出るほかの病気もあるので、自己判断はしないでください。
Signs
こんな「ぼんやり」、
ありませんか。
- 言葉が、すぐに出てこない
- 人の名前が思い出せない
- 集中が、長く続かない
- 何をしに来たのか、忘れる
- 頭に霧がかかったように重い
- 段取りが、前ほど組めない
当てはまる数で、何かが決まるわけではありません。
自分の変化に気づくための目安です。
Why
なぜ、
頭がぼんやりするのか。
一つの原因で説明できるものではありません。いくつかの変化が、同じ時期に重なりやすいのが更年期です。
01 ホルモン
女性ホルモンの
ゆらぎ
エストロゲンは、脳の働きにも関わっています。更年期には、このホルモンが大きくゆらぎながら低下していきます。
02 眠り
夜中に目が覚める
夜のほてりや寝汗で目が覚めたり、眠りが浅くなったり。よく眠れない日が続けば、日中の集中力や記憶にも響きます。
03 気分
不安や落ち込み
気分の波が大きくなると、頭がうまく回らないと感じることがあります。うつ病でも、集中力や記憶の低下が起こります。
04 暮らし
役割が重なる時期
仕事の責任、家事、子どもや親のこと。考えることが多い時期と、身体が変わる時期が重なります。
一時的な変化かもしれない、という研究があります。
アメリカで2,362人の女性を4年間追いかけた研究では、閉経をはさむ時期に、処理のスピードや言葉の記憶の「学習の伸び」が小さくなりました。そして閉経後には、元の水準に戻ったと報告されています。
ただし、すべての人に当てはまるとは限りません。「そのうち戻るから」と我慢しすぎず、つらいときは相談してください。
Check first
「更年期だから」と
決める前に。
頭がぼんやりする原因は、更年期だけではありません。似た症状が出るものを、先に確かめておくことが大切です。
似た症状が出ることがあるもの
- 甲状腺の病気
- うつ病
- 貧血
- 睡眠時無呼吸など、眠りの病気
- 飲んでいる薬の影響
まとめて相談するなら婦人科へ。似た病気を確かめるために、内科をすすめられることもあります。
すぐに救急へ:急に言葉が出にくくなった、ろれつが回らない、片側の手足や顔がしびれる・動かしにくい、これまでにない激しい頭痛がある。このような場合は、更年期を疑う前に、すぐに救急車を呼ぶなど医療機関へ。
Our view
肩の休憩室では、
どう考えるか。
整体は、ブレインフォグを治療する場所ではありません。ホルモンの変化そのものは、婦人科で相談する領域です。
ただ、施術の現場では、肩や首のつらさと一緒に、呼吸の浅さ、顎の力み、首の付け根の緊張が見られることがあります。頭がぼんやりする日ほど、身体のどこかに力が入りっぱなしになっていないか。肩の休憩室では、肩だけでなく、首の付け根や呼吸、お腹まで確かめて、力みの集まる場所を一緒に探します。
なぜ頭の付け根やお腹まで見るのか。その背景にある「脳腸軸」と解剖学の話は、別のページにまとめています。
Today
今日から
できること。
1 ぼんやりする時間をメモする
いつ、どんなときにぼんやりするか。前の晩の眠り、ほてり、気分の波も一緒にメモしておくと、婦人科でも整体でも、相談するときの手がかりになります。
2 眠りを守る
夜のほてりや寝汗で目が覚めるなら、そのこと自体を婦人科で相談してみてください。眠りが変わると、日中の感じ方も変わることがあります。眠りの工夫は、シリーズ03にまとめています。
3 頭の外に置く
覚えておくことを、メモや予定表に書き出す。一度に一つのことだけをする。頭の中だけで抱えない工夫は、それだけで負担を減らします。
4 息を長く吐いて、肩を落とす
気づいたときに、上下の歯をそっと離して、ゆっくり長く息を吐く。肩をすくめて、ストンと落とす。力が入りっぱなしになっていないかに気づくきっかけになります。
Q&A
よくあるご質問
ブレインフォグは、
更年期の症状ですか?
物忘れや集中力の低下は、更年期に多くの方が感じる変化の一つです。ただし、ほかの病気でも似た症状が出るため、更年期によるものかどうかは自己判断せず、医療機関で相談してください。
認知症の始まりではないかと
心配です。
更年期の物忘れと認知症は、別のものとして考えられています。研究では、閉経をはさむ時期の変化は一時的な可能性があると報告されています。それでも心配なときは、一人で抱えずに医療機関で相談してください。
何科に相談すればいいですか?
更年期の不調をまとめて相談するなら、婦人科(産婦人科)です。甲状腺の病気など、似た症状の病気を確かめるために、内科をすすめられることもあります。
ホルモン補充療法で、
良くなりますか?
ホルモン補充療法(HRT)は、更年期の不調に対して医療機関で相談できる治療の一つです。合うかどうかは体調や持病によって変わるため、婦人科の医師と相談してください。
整体で、ブレインフォグは
良くなりますか?
整体は、病気の診断や治療をする場所ではありません。肩の休憩室では、首の付け根や呼吸、お腹まで確かめて、力みの集まる場所を一緒に探します。ブレインフォグそのものへの効果をお約束するものではありません。
Series
更年期シリーズ
- 01更年期になると、なぜ肩こりや首こりを感じやすくなる?読む
- 02更年期の「頭がぼんやりする」は何?この記事
- 03更年期になると、なぜ眠りが浅くなる?読む
- 04更年期の不調は、どこに相談すればいい?読む
REFERENCES
- Greendale GA, et al. Effects of the menopause transition and hormone use on cognitive performance in midlife women. Neurology. 2009;72:1850-1857.
- Karlamangla AS, et al. Evidence for Cognitive Aging in Midlife Women: Study of Women's Health Across the Nation. PLoS ONE. 2017. pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5207430
- 寺内公一「更年期障害とホルモン補充療法のパラダイム・シフト」日本産婦人科医会 第208回記者懇談会資料, 2026. jaog.or.jp
- EMAS. Menopause Essentials 2026: Brain fog. emas-online.org
Contact
身体の変化を、
一人で抱えないで。
頭がぼんやりする日も、肩や首に力が入りっぱなしの日もある。予約の前の質問だけでも大丈夫です。気になることがあれば、気軽にご相談ください。
肩の休憩室|Tokidoki整体
名古屋市昭和区/
完全予約制・完全個室
この記事は、更年期と身体の変化に関する一般的な情報です。個別の症状の原因を判断するものではありません。肩の休憩室での施術・情報提供は医療行為ではなく、病気やけがの診断・治療・予防を目的とするものではありません。症状が続く場合や体調に不安がある場合は、医療機関の受診をおすすめします。


